なぜ経営者は毎月の給与を減らしてまで退職金を貯めるのか?

お金の話

空飛ぶFPです。
毎日どのジャンルについて書こうか悩んでしまっています。
まだ経営者のジャンルで記事がないので今日は経営者向けの話を書きたいと思います。

テーマは「経営者はなぜ毎月の給与を減らしてまで退職金を貯めるのか?」です。

なぜかわかりますか??

多くの経営者と話をしていると
「働いて、業績が上がり、利益が出て、法人税を持っていかれるくらいなら、給与を上げるよ!」と思い、給与を上げても「個人の方で税金を取られるから、手取りが増えないんだよね!」

的な話をよく聞きます。

残念ながら事実です。

課税所得額が1800万円を超えると所得税と住民税を合わせて50%を超えいます。
つまり1800万円以上の方が、何かの事情で年間の手取りをもう100万円増やしたいと考えた時には200万円の給与の増額をしないと手取りで100万円増えないのです。

で、経営者が考えるのがどうやったら手取り額を増やせるか?です。
そこで必ず押さえなければならないのが「退職金の税制上の優位性」です。
退職金には3大メリットがあります。

①退職所得控除がある
➁2分の1課税である
➂分離課税である

(退職金に社会保険料が掛からないことも合わせ4大メリットという方もいます)

①退職所得控除がある
勤続年数に応じて控除が受けられ、退職金の計算上の必要経費となる
計算式
勤続年数が20年以下の時
40万円×勤続年数=退職所得控除額
勤続年数が20年を超える時
800万円+70万円×(勤続年数ー20年)=退職所得控除額

例えば30年勤続した場合
800万円+70万円×(30年ー20年)=1500万円

つまり退職金が1500万円まででしたら税金が掛からないのです。

➁2分の1課税である
更に退職所得控除後の金額に対して1/2課税であるのです。
例えば5000万円の退職金をもらった場合
5000万円-1500万円(退職所得控除)=3500万円
3500万円×1/2=1750万円が退職所得額となりこれに税金が掛かります。
とても大きいですよね。

➂分離課税である
退職所得は他の役員報酬や不動産収入などの所得と合算されず、一番下の税率から計算されます。

ちなみに先ほどの30年勤務し、退職金を5000万円もらったケースだと、5000万円の退職金に掛かる税金は607.8万円で、手取りはなんと4392万円となります。
もっと言えば、所得税と住民税を合わせた最高税率は55%なので、②の2分の1課税を考慮するとマックス27.5%以上の税金は掛からないのです。

どうでしょうか?

これが「多くの経営者が毎月の給与を減らしてまで退職金を貯めるのか?」の答えです。

↓毎月手取額を減らして退職金でもらうとどうなる?シミュレーション↓

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